1996年製作のHPをそのままアップします。当時はマックMachintosh Performa5220 (この頃にテレビ付だったんだマックは!!)でタグを打ちながら作りました。デジカメがないころで、8mmビデオを静止画にキャプチャーして入れ込みました。見るだけで懐かしい。タグ打ちの苦労が思い出されます。私は筋金入りのHP作成者ですゾ!


A I G A M O IN A S I A


ベトナム北部ハイフォンの農家
a farmhouse in northern VIET-NAM


海 外 交 流 の 歩 み

 田んぼにあひるを入れる農法は約1,000年前から中国揚子江から南のアジアモンスーン地帯では行われており、原点を訪ねて、アジアモンスーン地帯の訪問を始めました。

1992年 台湾 TAIWAN


高校での検討会

高校生の軍事教練

段ボール「合鴨ロース」と書かれていた

 第2回合鴨フォーラムに台湾から参加した方に招待され、国立養鴨研究センターを訪問した。現在、台湾では日本の慣行農法と同じ稲作で、兼業農家がほとんどで、若者は農業に関心がないと嘆いていた。ごく一部でジャンボタニシを防ぐためにあひるを入れているに過ぎず、また、有機農業への関心はこれからだろうということだった。しかし、養鴨産業は盛んで、台北市郊外の河を仕切って何十万羽の北京ダックが飼われていたのは圧巻だった。工場の排水その他が流れ込んでいるのが心配だった。政府は廃止したいという方向らしい。センターの話しではあひるの90%は日本向けだそうだ。我々が訪問した処理場では解体冷凍パックされたあひる肉が「アイガモロース」と日本語で書かれた段ボールに詰められていた。


1992年 中国南部訪問 VISIT to Southern CHINA


2本の棒で、あひるを田んぼに誘導する少女
 a girl chases ducks into paddy fields using 2 bars


桂林郊外のあひる養殖場で生れたばかりの6000羽の雛を操る少女
a girl takes care of 6000 little ducks

 桂林市の旧人民公社では、今でもあひるを田んぼにいれていた。周りの農家も同じ。目的は草取りよりも田んぼにいれて餌代を浮かせたいということだ。しかし、あひる操縦はさすが本場、棒の先に白い布をつけて小屋から田んぼへ10日齢のひなを誘導していた。しかし、化学肥料、農薬が浸透し、耕種と家畜生産の分離が加速しつつあり、この農法は廃れるだろうということだった。


 桂林の広西師範大学や広州市の華南農業大学の関係者は、我々のあひる農法への関心に「機械化と化学肥料、農薬使用で高い生産性を上げ、生産調整をしている日本が、なぜこんな滅び行くあひる農法に関心を示すのか?」という疑問を呈した。増産が至上命題の彼等に、公害、農薬の被害、健康、安全な食べ物は理解が難しいというところだった。しかし、増産するが、まずいハイブリッド米より、おいしい米を指向する傾向になりつつあるという4年前だった。

 今や加速度を増す改革開放、離農、人口の都市集中、食の西欧化による食肉の需要増加にともなう飼料穀物の不足による95年春の輸出国から穀物輸入国への転換、中国の食糧問題は輸入大国日本の腹具合を左右するはず。今年になって日本の飼料のトウモロコシはウナギ上りに高くなっている。もうすぐ鶏卵が高くなってくるだろう。
 


1994年 韓国 KOREA


韓国での交流会場にて in South KOREA

 韓国では日本と同じく慣行農法への不安が広がり、有機農業の関心が高くなってきており、マスコミを通して合鴨農法を知った人が福岡まで研修に来て始めた。正農会という有機農業の会が出来て着実な広がりを見せている。今回来日する人達も合鴨を取り入れた、正農会の会員である。水原の国立農業試験場では積極的に合鴨農法の研究を進めていた。

 この国も後継者不足ながら、米作地帯では機械化で若い農家が育ちつつあり、ある若夫婦は農業が楽しい、是非日本の百姓と交流したいと、積極的に話しかけてきた。準戦時態勢下の韓国では食糧生産の農業は手厚く保護され、米の備蓄は国家政策で戦争になっても持ちこたえるだけの半年分くらいはあるという。また機械購入の多額補助などがなされており、日本で500万円以上する50馬力トラクターが270万円位だといっていた。物価の差はあるとはいえ(当時ガソリン80円/1L、缶コーラ85円)、日本は機械代が高すぎる。

 韓国の米は実にうまい。私達の貧乏旅行は街の食堂で食べるのだが、どこの食堂で食っても白米がうまい。2年前の米騒動の時、日本人旅行者は手土産にどんどん買って帰ったと聞く。それもそのはず、緯度は新潟と同じくらい、熟する秋口に寒暖の差があり、デンプンが載るのだ。物価が低い分価格競争で有利、その上うまいと来たら、自由化になったら強敵手になるだろう。