#1 コーナーを作ってはみたけれど・・・

(2000/6/5)

どうしましょう、このコーナー。なんだか勢いで趣味を並べてしまったんですが、特に弱いんですよね、この分野。

最近聴いているのはもっぱらジャズ。知っている人は知っているけど、知らない人は全く知らないというジャンルですよね。そして知らない人が圧倒的に多い(笑)。

そうするとミーハーでも何でもないですが、今一番聴いているのは「マイルス・デイヴィス」なので、おそらく名前くらい聞いたことのある人は多いでしょう。そういうわけでジャズを聴く人間としては「どミーハー」です(笑)。そのマイルスにしても四,五枚しか聴いていないので、偉そうなことは一つも言えないのです。が、まぁ少しだけ。

そのマイルスの中で今のところのお気に入りは『Kind of Blue』(ソニー・1959年録音)。修士論文を書いているときには、これと『Cookin'』、そして宇多田ヒカルの『First Love』がずっとまわってました。

どうやら『Kind 〜』が一番という方が多いようで、少し安心しました(笑)。あるとき「これいいですよー」と大学の先生に言ったところ、「そりゃ、彼のマスターピース(傑作・代表作)だもん」とばっさり斬られ、無知をさらしたこともあります。その後生協で『JAZZ名盤なんとか』みたいな本を買ったりして(笑)。

何がどういいのかを表現することはミーハーの私には今のところ出来ないんですが、とにかくいいんです(おお、なんだかミーハーな感じ 笑)。ジャズのコーナーがあるレンタル店には大概置いてある有名盤ですので是非一度ご賞味を。

ライナーノーツをパクるのは、別の機会にしましょう。いずれ詳しく紹介したいと思います。
とりあえず第一回はこんなところで。


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#2 MY FUNNY VALENTINE(in "COOKIN'")

(2000/6/13)

COOKIN'

1.MY FUNNY VALENTINE
(Rodgers-Hart)
2.BLUES BY FIVE-false start
(Miles Davis)
3.BLUES BY FIVE
(Miles Davis)
4.AIREGIN
(Sonny Rollins)
5.TUNE UP 〜
(Miles Davis)
WHEN LIGHTS ARE LOW
(Benny Carter)

Time:33:49
Rec.(Oct.1956)
レーベル : Prestige
販売元 : ビクターエンタテインメント(1996年)
MILES DAVIS(tp), JOHN COLTRANE(ts), RED GARLAND(p),
PAUL CHAMBERS(b), PHILLY JOE JONES(ds)

前回、好きなアルバムとしてあげたのはマイルス・デイヴィスの『Kind of Blue』でしたが、彼の演奏した曲のうち一番に気に入っているのは今回取り上げた『COOKIN'』に収録されている「MY FUNNY VALENTINE」です。どうしても最初にこの曲が頭に浮かんでしまうんですよね。

『COOKIN'』は、マイルスがCBS(現ソニー)にうつる寸前にプレスティッジ・レーベルで録音したいわゆる「マラソン・セッション」の一部を収録したアルバムです(2日間で25曲も録音したとか・・・)。

マイルス初期の傑作として評価の高いこのアルバムですが、なかでも素敵なのが一曲目の「MY FUNNY VALENTINE」。小気味いいピアノのイントロ、そこへマイルスのトランペットがゆっくりと・・・。
おぉぅ、ゾクゾク来たぁ(笑)。この曲と同名のアルバムもあるのでそのうち聞き比べてみたいところです。

その他に気に入っているのは4曲目の「エアジン」。この曲は『BAGS GROOVE』(1954年)というアルバムのなかでも演奏されているのですが、こちらの方がテンポが速くて、また、クインテット全体の演奏が一体化した感じ。って同じ様なことがライナーノーツにも書いてあるんですが(笑)、両方のアルバムを聴き比べてみるとはっきりします。
『BAGS〜』の「エアジン」は「バラバラだなぁ」という印象です。まあそれがいいという見方もあるんでしょうけど。

このアルバムは修論執筆中にずっとかかっていたものだけに、当時の苦しみを思い出させるのかと言えばそうでもなく、いまでもよく聴いているアルバムの一つです。

バレンタインデーの素敵な想い出とかなくてごめんなさい(誰に謝ってるんだろう? 笑)。

(今回取り上げたアルバムの収録曲、演奏時間等は1996年にビクターエンタテインメントから発売された20bitCD盤をもとにしてあります。盤によって収録曲が異なる場合があります。)


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#3 宇多田ヒカルと椎名林檎についての極私的戯言

(2000/7/27)

ここ最近のJ-POPを引っ張る女性アーティストの代表格として、宇多田ヒカルと椎名林檎を挙げることに、(一部を除いて)異論はないでしょう。椎名林檎との出会いはバイト中に聞いていたFM。宇多田ヒカルはフジ系で放送していた「笑う犬の生活」のエンディング曲。ともに第一印象はよろしいわけではなくて、なんの興味も持っていませんでした。椎名林檎の「幸福論」はベタな恋愛を描いているように聞こえたし、宇多田ヒカルの「Automatic」も当時流行っていたR&Bと同じように聞こえていた。

しかし、二作目の「歌舞伎町の女王」で椎名林檎の評価が一変。私って歌詞をあんまり聴く方ではなくて、歌詞の内容に共感したりすることがあまりない人間なんです。ただ、「面白い歌詞だなぁ」と思うことは結構ある。たとえばそれは井上陽水だったり、中島みゆきだったり、橘いずみだったりするわけですが、そういう面白さというか、「こんな歌詞を書くなんて、こいつ絶対おかしい!」という確信みたいなものをこの曲を聴いて感じたわけです。それ以降私の中で「椎名林檎」が認知され、好感度がアップしていき、相対的に当時評判になり始めていた宇多田ヒカルの評価が下がっていった。何で下がるかというと、要するに私がひねくれているから。当時宇多田ヒカルと椎名林檎を比較した場合、どうしても椎名林檎にはマイナー感というか、アングラ感というか、胡散臭さが漂っていた。だったら椎名林檎を推すしかないでしょう(笑)。

で、99年はじめの頃、当時宇多田をプッシュしていたM先生との間で論争というか、「こっちがいいんだ」みたいな言い合いをしてみたり(笑)。このM先生が音楽にもやたらと詳しい人でドラゴン・アッシュのヒットも予言していたりと、私の中では音楽に関しては「この人に聞け!」みたいな位置づけなわけなんです。「K大学の渋谷陽一」みたいな(笑)。だからこの人に「椎名林檎はダメだよ」とか言われたときにはちょっとショックを受けたりしたわけです。それで聴くのをやめるようなことはありませんでしたが。

ただ私の中で、エンターテイナーとしての宇多田ヒカルの評価はその後ぐんぐん上がっていった。しゃべりは面白いし、アルバムも聴いているうちに「やっぱりいいかも」と思い始めてきた。あんまり邪魔にならないので、文章を書いているときはこちらを聴くことが多くなってきて、それでまた自分の中に定着してくるわけです。ついでに椎名林檎の位置づけが私の中で下がりつつもあった。マイナー感があったはずの椎名林檎がやけに売れてるし(笑)。決定的だったのがある雑誌の特集グラビア。それがまたうまく撮れていて、椎名林檎の素顔をみた気がした。その時感じたのが「あ〜、やっぱり20そこそこの小娘じゃんか!」というような感想。そんなこと当たり前なのに、ちょっと興ざめな感じになってしまったんですよね。修行が足りませんわ(笑)。

それで今ではどちらかというと宇多田寄り(かな?!)。以前はどちらかというと批判していたのであんまり大ぴらに言えないんですけど(笑)。ところが前述のM先生、いつのまにやら椎名ファンに転向。だから私も素直に「両方好き」ということにしておこうと思います。


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#4 ジャズに出会う一枚

(2000/10/20)

僕がジャズを聴くようになったのにはいくつか原因らしきものが考えられるます。流行りの音楽を追いかける情熱と経済力に欠けていたこと。あるアニメの格好良さ。僕には歌詞がそれほど意味を持っていないこと。僕にとってクラシックはアッパー系で、ダウナー系の何かを求めていたことなど・・・です。ジャズを好んで聴く友人がいたこともあげられるでしょう。


BLUE NOTE HITS!

1 COOL STRUTTIN'/SONNY CLARK
2 MOANIN'/ART BLAKEY
3 CLEOPATRA'S DREAM/BUD POWELL
4 THE SIDEWINDER/LEE MORGAN
5 MAIDEN VOYAGE/HERBIE HANCOCK
6 AUTUMN LEAVES
/CANNONBALL ADDERLEY featuring MILES DAVIS
7 ALLIGATOR BOGALOO/LOU DONALDSON
8 BLUE TRAIN/JOHN COLTRANE
9 'ROUND MIDNIGHT/THELONIOUS MONK*mono

Time:73:30
レーベル : BLUE NOTE(だが、おそらく東芝制作の国内版)
販売元 : 東芝EMI(1996年)
MILES DAVIS(tp), JOHN COLTRANE(ts), BUD POWELL(p)
他多数。

ともあれ、バイト中のラジオで「ブルーノート」というレーベルの名前を耳にした私は、これだけを頼りにジャズCDを探すことにしました。無知な私は知る由もなかったのですが、「ブルーノート」といえばジャズの一大レーベルで、去年(1999年)創立60周年を迎えた歴史あるレーベルでもあります。日本における発売元は今宇多田ヒカルと椎名林檎で絶好調の東芝EMI。

アーティストの名などさっぱりわからない私は結局一枚のコンピレーション・アルバム、つまり「NOW」のような「いいとこどりアルバム」を手に取りました。「BLUE NOTE HITS!」というタイトル。「HITS!」って言うくらいだから求める音があるだろうと思っていたのですが、これがまた「王道」とも言えそうなくらい私の「ジャズ」のイメージそのものでした。

曲のタイトルはご存じない方も、おそらく2の「MOANIN'」や3の「CLEOPATRA'S DREAM(クレオパトラの夢)」、6の「AUTUMN LEAVES(枯葉)」などを一度は耳にしたことがあるに違いない、それほどスタンダードな、ベタなコンピレーションでした。今思うとモダンジャズの巨人達が名を連ねていて、それだけに初心者の私には(今でも初心者だけど)とてもいい入門の一枚になったような気がします。

とりあえずここからスタートして、まだマイルスを聞いている段階。ただ、彼の作品は多すぎてとてもすべてを聞くことは出来ないだろうと思います(その気もない)。また彼の作品で演奏するサイドメン達、たとえばここに登場するコルトレーンやアダレイだったりするわけなんですが、彼らもまたバンドリーダーとして数多くの作品を残しています。きりがないけど、なかなか深そうで魅力的じゃありませんか。


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#5 やっぱミーハー? そしてH?

(2001/4/22)


'ROUND ABOUT MIDNIGHT

1 'ROUND MIDNIGHT
(T.Monk)
2 AH-LEU-CHA
(C.Parker)
3 ALL OF YOU
(C.Porter)
4 BYE BYE BLACKBIRD
(M.Dixon,R.Henderson)
5 TADD'S DELIGHT
(Dameron)
6 DEAR OLD STOCKHOLM
(S.Gets)
Time:39:22 MONO
Rec.(Oct.1955・Jun.1956・Sep.1956)
レーベル : SONY(録音時はColumbia)
販売元 : ソニー・レコード(1996年)
MILES DAVIS(tp), JOHN COLTRANE(ts), RED GARLAND(p),
PAUL CHAMBERS(b), PHILLY JOE JONES(ds)

いやー、このアルバム欲しかったんです。以前、ご紹介したように、マイルスは1956年、プレスティッジからコロムビア(現ソニー)へと移籍しました。その移籍第一弾がこの『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』で、ヒット・タイトルとなったようです。

で、なぜ、このアルバムが欲しかったかというと、もちろんマイルスの代表作の一つということも、もちろんあるのですが、なんといってもCMの影響です。

日曜の夜なんとなーくソニー提供の『世界遺産』を観ていたら、SACD(スーパー・オーディオCDでしたっけ?)のCMが。そのなかで流れていたのが、一曲目に収録されている「 'ROUND MIDNIGHT」。グッときたね(笑)。それで「うへー、ほしー!」てな具合で購入。やられてますよ、ソニーに(笑)。

そして、聞いてみたんですが、これが格好いいんですよ。やっぱり一曲目。というか一曲目だけ(笑)。でもそれだけでも充分もとはとれるほどよい。雰囲気出ます。生活感がぶっ飛びますよ(笑)。

この間、これまた前述のM先生のご自宅に招待されたのですが、アナログ盤の『'ROUND ABOUT MIDNIGHT』が置いてあるじゃないですか。伺ったところによると最近中古レコードショップで購入されたとか。ちゃんとコロムビア盤だし。

「これいいですよねー。最近こればっかりですよ」と話を向けると、「でもさぁー、これなんだかエッチくない?この曲('ROUND MIDNIGHT)もだけど、全体的に。」と師。「え、Hですか?・・・そう言われれば雰囲気ありますよね(笑)」と私。そうなんだよ、Hなんだよ(笑)。もっと柔らかく「雰囲気がある」とか言うものの、確かにHと言われればHなんだよねぇ。モンクのピアノよりも、ジョー・パスのギターよりも、マイルスのペットの方がH。ライナー・ノーツによると、ギル・エヴァンスのアレンジをマイルスがパクったらしいのだが(笑)、途中テンションが上がるところも素敵。

男性の方は是非、女性と一緒に(女性の方は是非、男性とご一緒に)。そして、真夜中にどうぞ。

僕?いやです。てれちゃうよ(笑)。


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