第三回 別れと再会のエンディング -「FF9」-

(2000/11/27)

-ネタバレ含みます-

中学一年の頃、教員の父親を持つ同級生の女の子が転校することになり、よくある「お別れ会」なるものが催された。彼女に対してみんなで一言ずつ言葉を贈ろうということになり、私は「出会いがあれば別れもある。別れることは悲しいことだけど、新しい出会いへの始まりだと思えばそんなに悲しいことでもない。それに死に別れるわけでもないしまた会えることもあるさ。」みたいなちょーオヤジ臭いことをいったことを今でも覚えている・・・。

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先日「ファイナルファンタジー9」(スクウェア)を終えました。「ここ掘れチョコボ」とか「カード」とか細かなミニゲームを飛ばしてしまったのですが、本編だけでも十分楽しめる内容。「8」をプレイしていないのですが、これまでのシリーズ作品の中でもトップレベルの評価を下そうかと思います。中身は「生きることとは何か?」「私の存在理由は?」みたいな、いかにも「不安な世紀末」、「ポストモダンな現代」にふさわしい作品となっています。最後のほうで記憶が個人のモノでなく世代間に引き継がれていくみたいな話になって「おいおい、ユングまで入れるんかい!(註)」とつっこみたくなるほど。何はともあれエンディングで泣けたのでオールOK。

そのエンディングはやたらと長く、クオリティの高いCG満載。序盤はいかにも映画的な映像で、スクウェアが120億かけて準備中(?)という(CG)映画の実験なんじゃないの?とかんぐりを入れてしまいそうなほど無意味かつ不必要で、マトリックスちっく(笑)。主人公ジタンは「人を助けるのに理由がいるか?」という名ゼリフを残して、単身崩れ落ち、襲ってくる触手のような植物の枝をかき分け、仇役兼兄(?)のクジャを助けようとする。この辺の描写がそのCG。その直後ジタンは死んだかと思わせるが・・・実は生きていてヒロイン(お姫様・ダガー【仮名】)を迎えに来る。大団円。おぉ、文字にすると安直かつチープ(笑)。文字にしなくてもシンプルなんだけど、演出が見事で不覚にも涙を流してしまいました。

どうも私はこの手の演出-共に苦難を乗り越えてきた仲間と別れた主人公が仲間たちと再会する-がお気に入りかもしれません。いままでRPGのエンディングの中で最も気に入っている、というか記憶に残っているのは「ドラゴンクエスト4」(エニックス)のエンディングです。「ドラクエ4」のエンディングは、冒険を終えた仲間達と次々とわかれてそれぞれが元の生活へと戻り、主人公は故郷の町(お墓しかないけど)へと戻っていく。という筋書きです。家族との再会を喜ぶトルネコを木の陰から見守り(明子か?笑)、踊り子の姉妹が舞台で踊るさなか、通路を外へと歩く勇者。そして独り故郷へと戻ったところに仲間達が・・・再会そしてスタッフロール。なんだか哀愁を感じたんですよね、勇者に(笑)。8ビットゲーム機時代のショボイキャラなんですけど、これまた演出がよかったということなんでしょう。

冒頭の女の子。なんと大学で再会しました。なんにもなかったけど。誰か演出してくれたら・・・(笑)。

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(註)私はユングの本を読んだことはありません。あくまで教科書的知識からの判断ですのでつっこまないで下さい(笑)。

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第二回 悪魔のソフト、その名は・・・「ダビスタ」!

(2000/9/13)

私と同年代の競馬ファンには、競馬シュミレーションゲーム「ダービースタリオン」(制作:パリティビット, 発売アスキー, 以下ダビスタ)から、競馬の世界に足を踏み入れた方が多いそうなのですが、私もそのご多分に漏れず、です。だからこの話、競馬篇に書いたものか、ゲーム篇に書いたものか迷ったのですが、まぁこちらにしときました。

どうも最近以前のようにゲームをすることが少なくなってきたのですが、この「ダビスタ」は今でもプレイし続けているゲームソフトの一つです。しかし、私を競馬ゲームに引き込んだ初めてのソフトは「ウイニングポスト」(制作・販売コーエー)ということになります。なぜ私が「ウイニングポスト」にハマったのかはっきりとしませんが、コーエー(なんか変、やっぱり当時の社名「光栄」がしっくりくる 笑)の歴史シュミレーションが大好きだったので、この流れで好きになったのかもしれません。

競馬シュミレーションゲームは数多くありますが、この2作が双璧と言って過言でないと思います。両ソフトとも魅力的なゲームですが、プレイヤーの役割というか、競馬サークルの何をシュミレートするかという点で当然ながら大きく違っています。「ダビスタ」と「ウイニングポスト」の違いを簡単にまとめると次のようになります。

表:「ウイポ」と「ダビスタ」におけるプレイヤーの役割

生産者
馬主
調教師
人間関係
ウイニングポスト
×
基本的にお任せ:口も出せる

オーナーブリーダーとして
ダービースタリオン
○(◎)

自らおこなう:お任せもあり
×
馬が強ければ騎手は乗ってくれる

簡単すぎな気もしますが(笑)、「◎」がそれぞれのソフトにおいて中心となるテーマになると思います。

「ウイニングポスト」でプレイヤーは、例えば実在するメジロ牧場のようなオーナーブリーダー(生産者と馬主が同じ)の役割を演じることになります。ゲーム内でプレイヤーは他の馬主や調教師、騎手たちとつき合い、関係を強めていくことになります。調教師には馬を預け、騎手には騎乗を頼む(調教師が依頼する)ことによって関係が深くなっていくことになります。調教師との関係が強まると出走レースや調教方針、騎乗ジョッキーなどに口が出せるようになります。つき合いの深いジョッキーは自分の持ち馬に優先的に乗ってくれるようになります。無論、ゲームとしての目標は国内GTレース(最も格の高いレース)をすべて制すとか海外のレースを勝つとか、自分の牧場の種牡馬の血統を広めるといったことなのですが、そのためにも競馬サークルの人間関係を無視することは出来ないのです。この辺にリアリティーがあって、このゲームの魅力の一つと言えます。

「ダビスタ」においてプレイヤーは、牧場で馬を生産し(セリで購入することもできる)、気に入った馬(全部でもかまわない)を調教し、レースに出走させます。自分でレースに出走させる競走馬はすべて持ち馬ということになるので、プレイヤーは馬主(オーナー)の役割も一貫して演じることになります。馬券を購入し続けて、ゲームをすすめることもできますが、それだけで楽しめる遊び方とは言えず、おまけと言ってかまわないでしょう。主にゲームは競走馬を調教し、レースに出生させることで進んでいくので「調教師」としての役割に重点が置かれます。

しかし、「ダービースタリオンU」から「ブリーダーズカップ(生産した競走馬同士を走らせる)」が登場したことから、多くのプレイヤーが最強馬の生産を目指して、生産の過程に重点を置くことも多くなりました。ゲームには実在する多くの種牡馬、牝馬などが用意され、インブリード(近親配合)やニックス(相性のいい血統同士の配合)等の現実にみられる配合理論も用意されているのですが、その他にもヘビープレイヤーたちによって多くの配合理論が生み出されてゆきました。最高の配合を目指すユーザーと、その相対化をはかる、つまり、最強馬生産への方法を増やそうとする開発者との間で今でもせめぎ合いが続いていて、そのことがまた「ダビスタ」を魅力的なソフトにしている一つの要因であろうと思います。また、ユーザーが生み出す配合理論が、開発者の当初の案外にあるというのも面白い話です。それ位自由度の高いゲームと言えるでしょう。

浪人中に借りた「ダービースタリオン全国版」以来、「ダービースタリオンU」、「ダービースタリオンV」、「ダービースタリオン96」、「PS版ダービースタリオン」、「ダービースタリオン99」と買い続け、プレイしていることになります。おお、見事に学生時代と重なる(笑)。

一度、ある競馬ゲームを買ったことがあるのですが、これがどうしようもない「クソゲー」。「やっぱり競馬ゲームは『ダビスタ』だな」と思ったものです。それ以来浮気をすることなく競馬シュミレーションは「ダビスタ」一筋です。


・・・・あれ「ウイニングポスト3」とかやったな(笑)


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第一回 ドラクエ・エレジー

(2000/6/8・2000/6/13改訂)

「ドラゴンクエスト」と出会ったのが小学校五年生の時。週刊少年ジャンプのグラビア記事に胸躍らせて、何度も何度も読み返したのを今でも覚えています。その「ドラゴンクエスト」も次はいよいよ第7作目。延期に延期を重ねて8月にようやくでるそう。それもどこまで確かだかわかりませんが、SMAP出演のCMも流れはじめてますし、今度は間違いないんでしょうね。

CMといえば、エニックスのCM、一時期「ヴァルキリープロファイル」のCMがガンガン流れてたけど、あれって「ホントはドラクエ用に確保していたのでは?」と思わせるぐらい長いこと流れてましたよね?昨年末のドラクエCM枠はたまたまセガのドリームキャスト用に譲ることができたらしいけど(註)、今回はそういうわけにもいかず、自社ソフトで埋めるしかなかったのでは?というのが私の私見です。根拠全くゼロですけど(笑)。あと、最近胡散臭い(というか流れすぎな感じの)CMはPS2ソフト「ファンタヴィジョン」(笑)。一度だけプレイしたことがあるんですが、そんなに面白いとも思えない。確かにきれいではあったけど。今のところ女性向けソフトがなく、あれで引っ張るしかない、ということなのかなぁ?

閑話休題

今でも初代の「ドラゴンクエスト」は私の中で3本の指に入る名作。名作と言うよりは想い出の作品というべきなんでしょうか。ただ、当時まだ高価だったパソコン用しかなかった「ウィザードリィ」や「ウルティマ」(しかも英語版?!だったよね?)に比肩する、あるいはそれを越えるRPGを、ファミコンで安価に(といっても5000円位しましたが)プレイできるようになった歴史的意義は大きいと思います。何しろ面白かった。

何でこれが「エレジー(哀歌・悲歌)」かって?
何を隠そう、ドラクエの第二作目。発売後3日にしてパクられたんです。あれは悲しかったなぁ。



以上の内容に事実は含まれていますが、筆者の思い違い、記憶違い、妄想等も含まれている場合がございます。あらかじめご了承下さい。
(註)
CM枠をセガに譲った話はラジオでエニックスの方が話していたので間違いないと思うのですが、去年だったか、一昨年だったか・・・。FMで土曜の午後5時から放送している「バー・アバンティ」には、たまーにエニックスの方が発売延期の言い訳をしに来ます。興味のある方はチェックしてみて下さい。様々な業界の裏話が真偽はともかく楽しめる番組です。「聞き逃せませんよぉー」(笑)。

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