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赤 潮 注 意 報
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鹿児島県水産試験場
平成14年7月19日
八 代 海 No.1
[1] 7月18日の調査結果
 (1) 赤潮生物の出現状況
  今回の調査では,本県と熊本県との県境海域付近にコックロディニウム ポリクリコイデス
による筋状の着色が確 認されました。
  また,シャトネラ アンティーカが,ほとんどの調査点で確認(0〜11cells/ml)されました。
  (2) 海 況
  今回の調査地点における表層水温は24.1〜25.9℃で昨年同時期に比べ約2℃低くなってい
ます。また,塩分は  31.8〜32.8で昨年同時期に比べ若干高めになっています。

      水 温:平均 25.1℃
      塩 分:平均 32.33
 
[2] 今後の赤潮発生の予想
 コックロディニウム ポリクリコイデス:前回調査時に比べ細胞数が増加し,また分布域も拡
大しています。また, 比較的鉛直混合が行われていることや連鎖細胞が多いこと,本種の至
適水温及び塩分が高水温,高塩分あることなど から,今後晴天が続き,水温の上昇と共にさ
らに増殖し分布域も拡大する可能性があります。
  出現海域付近の各養殖場では,海水の色や養殖魚の状態に十分注意すると共に,検鏡に
より細胞数の確認や競合種 である珪藻類の増減等を把握し,着色した際には粘土散布など
十分な対策が必要です。

 シャトネラ アンティーカ:本種の細胞活性や細胞数などから,水温の上昇と共に減少傾向に
向かう事が予想され, ただちに赤潮を形成する可能性は低い(ただし風,潮流等による集積
は除く)ものと思われます。ただし,降雨等に より塩分濃度が極端に低下する場合や水温の
上昇が押さえられた場合など,いまだ増殖の可能性もあります。
  本種の極めて高い魚毒性(ブリ類致死濃度:100cells/ml)を考慮しながら,依然として細胞
数の確認や養殖魚の状 態等には十分な注意が必要です。




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