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鹿児島県水産試験場
平成14年7月31日
八 代 海 No.2
[1] 7月30日の調査結果
(1) 赤潮生物の出現状況
今回の調査では,全調査点で着色域は確認されませんでした。
全体的にプランクトンの数,種類ともに少なく,それに伴って透明度も全体的に高くなってい
すが,前回調査時に比べ珪藻類が増加傾向にあり,特に水俣から出水沖にかけてはそれが 顕著でした。
また,多くの調査点における水深10m層でシャトネラ アンティーカが確認されました。(最
大2cells/ml)
一方,コックロディニウム ポリクリコイデスなどの有害プランクトンは全調査点で確認されま
せんでした。
(2) 海 況
表層水温は八代海全域で26.8〜28.6℃で平年の同時期に比べ約1℃高く,塩分は31.3〜32.
で平7 年の同時期に比べやや高めとなっています。また,一部海域(水俣〜出水沖)を除きプ ランクトン 数が少ないことなどから全体的に透明度が高くなっています。
水 温:平均 27.59℃(26.93℃)
塩 分:平均 32.3(30.6)
透明度:平均 9.3m(7.8m) ( )内は,同時期におけるH1〜H13年までの平均
[2] 今後の赤潮発生の予想
多くの調査点における10m層でシャトネラ アンティーカが確認されましたが,水温が本種
の適水温を越えつつあることと細胞活性が低いことなどから,今後本種により赤潮を形成する 可能性は低いものと思われます。
一方,コックロディニウム ポリクリコイデスは全定点全層で確認されなかったことから,当
面, 赤潮を形成する可能性は低いでしょう。
なお,7月19日付けで発令した赤潮注意報は解除します。
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