シャットネラ アンティ−カ
赤潮生物種 : Chattonella antiqua (HADA) ONO
ラフィド藻(緑色鞭毛藻)鋼ラフィドモナス目ヴァキュオラリア科

 体は黄褐色,単細胞,後端が尾状に尖る紡錘形で,わずかに偏平である。大きさは長さ50
〜130μm,幅30〜50μmである。亜等長でヘテロダイナミックな2本の鞭毛は細胞前端の咽
喉部から出る。細胞表面近くに光を反射する無数の脂質小体が分布する。葉緑体は楕円また
は長楕円形で,外部原形質中に多数存在し,放射状に配列する。ピレノイドは葉緑体の内側
の極に存在するが,光学顕微鏡では見えない。核は細胞中央部やや前方に位置する。眼点,
収縮胞,大きな粘液胞はない。無性生殖は遊走細胞の二分列による。
 有性生殖は不明。シストは半球状で底部に翼をもつ。春から秋に内海で本種を優占種とする
大規模な赤潮が発生する。生育は愛知県三河湾から山口県沖周防灘に至る西日本で知られ
る。
 本種は他種と較べ,細胞が大きいので識別は容易である。しかし,本種の比較的小さな固体
と他種,特にC.marinaの大きな固体と区別は困難である。クロン培養を用いた細胞後端の尾
部の形などの比較およびモノクロ−ナル抗体を用いた免疫反応で区別できる。
〔記述:原 慶明〕

顕微鏡写真




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