Chattonella marina

シャットネラ マリ−ナ
赤潮生物種 : Chattonella marina (Subrahmanyan) Y.Hada st Chihara
ラフィド藻鋼ラフィドモナス目ヴァキュオラリア科


 体は、黄褐色、単細胞、やや偏平な倒卵形または長倒卵形、後端はわずかに尖る。大きさ
は長さ30〜50μm、幅20〜30μm。亜等長の2本の鞭毛が細胞前端の凹部から出る葉緑体
は楕円又は長楕円形で、外部原形質中に放射状に配列する。核は細胞中央部やや前方に位
置し、涙敵状。釘状の粘液胞、眼点及び収縮胞はない。無性生殖は遊泳細胞の二分列によ
る。シストは半球状で底部に翼をもつ。赤潮の後期には、色素の薄い小型の細胞が観察され
るようになる。これは、シスト移行前の前駆細胞と考えられている。従来、ホルネリアの一種
Chattonella sp. とされていたが、原・千原(1982)によって、Chattonella marina の種名が提案
された。
 本種はインド西海岸で赤潮を形成したという。本邦では瀬戸内海を中心に、愛知県三河湾か
ら鹿児島県鹿児島湾にいたる西日本で知られ、本県では鹿児島湾のほか、7〜8月八代海、
片浦湾でも出現が見られる。春から秋に内海で大規模な赤潮を引き起こす。
 本水試では、鹿児島湾の赤潮発生条件を次のように見ている。 

(1)水  温:23〜26℃(5月下旬〜7月中旬)
(2) 塩  分:30以下
(3) 栄養塩:DIN(無機三態窒素)5μg-at/以上
(4) 降 雨:7〜10日間で200mm以上
(5) 日  照:降雨後2〜3日強い日照がある
(6) 潮  流:大潮の後の小潮時、海水の流動の少ないとき
(7) 風 :風速1〜2m/s、あるいはSWの風が連吹した時、赤潮生物が集積されやすい場所 
       がある。

顕微鏡写真



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