平成13年鹿児島湾赤潮情報 bP
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平成13年4月26日
鹿児島湾 No.1
[1] 4月25日の調査結果
(1) 赤潮生物の出現状況
鹿児島湾奥部黒神沖の狭い範囲で,プラシノ藻及びユーグレナ藻によるものと思われる暗
緑色の着色域が確認され,その中に比較的活力の高いヘテロシグマ アカシオが800細胞/ ml(黒神,0m)確認されました。
一方,その他の海域では,ヘテロシグマはわずかに湾奥部の一部海域で1〜5細胞/ml確認
されたのみで,ほとんどの海域で確認されませんでした。
また,湾奥部で全体的に10ミクロン以下の微小プランクトンの細胞数が多く透明度が悪くな
っているほか,垂水市海潟沖では原生動物のメソディニウム ルブラムが最高で216細胞/ml 確認されました。
なお,シャトネラ マリーナは全調査点で確認されませんでした。
(2) 海 況
表層水温は湾奥部で17.8〜19.8℃,湾央部で18.0〜19.3℃と前年の同時期に比べ湾奥部平
均で約1.1℃,湾央部平均で約1.4℃高くなっています。なお,塩分は,特に湾奥部で前年の同 時期に比べ全体的に低めとなっています。
水 温:平均 18.57(17.36)℃ 湾奥部 18.51(17.39)℃ 湾央部 18.72(17.29)℃
塩 分:平均 32.67(33.71) 湾奥部 32.43(33.53) 湾央部 33.38(34.24)
透明度:平均 5.71(6.93)m 湾奥部 5.22(7.24)m 湾央部 7.17(6.00) m
( ) 内の値は,前年同時期の測定値
[2] 今後の赤潮発生の予想
依然としてヘテロシグマの適水温(15〜25℃)にある為,特に黒神沖では,プラシノ藻等の細
胞数が減少した場合,再度ヘテロシグマ アカシオが増殖する恐れがあります。また,その他 の海域でも,細胞が若干見られることから再度増殖の可能性がありますので,海水の色と養 殖魚の餌付きの状態に注意して,異常を感じたら直ちに餌止め等の十分な対策が必要です。
一方,湾奥部で全体的にプラシノ藻をはじめ,その他の微小プランクトンにより養殖魚の餌
食いが悪くなっているようです。これらのプランクトンによる魚毒性についての報告例はありま せんが,給餌の際には十分注意を払う必要があります。
なお,垂水市海潟沖で細胞数の多かったメソディニウムは,本県でもしばしば赤潮を形成す
ることがありますが,漁業被害の発生例はありません。
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