ぶみこの体験レポート (1998年)
−ここだけのお話−
参宴者が決まるまで・・・
私たち仙巌園では、毎年参宴いただいた旧大名家の方に、次の参宴者のご推薦をいただいております。
昨年参宴いただきました「伊達泰宗様」からは「水戸徳川家徳川斉正様」をご紹介頂いたのですが・・・
大河ドラマの関係上、やはり今回は難しいとのお返事。
もし、今回ご参宴いただければ、話題にもなったのに・・・
世の中、そんなに甘くはない!ですよね。
そして、それなら・・・と。徳川慶喜でも関わりの深い、そして、島津斉彬とも関わりの深い「阿部様を!」・・・と
いうことで???阿部様へお願いしました。
酒井様は、戊辰戦争の時のご縁で、今でも深い関わりを持つ庄内のご当主ということで決めさせていただきました。
中国大使館のこと
仙巌園の特徴のひとつに、毎年、中国大使館から特別にご来賓いただいております。
実は、今年中国大使館の大使の交代がありました。これまで、交渉していた担当者の方も交代になり、
一時はどうなるかとヒヤヒヤしましたが、なんとか無事来賓いただくことが出来ました。よかった、よかった。
曲水の庭の石について
曲水の庭の小川の下には、小さな石が敷き詰められています。これは、宴開催の1ヶ月程前に
1個1個敷き詰めていきます。この小さな石が微妙に水の流れに影響し、耳杯や羽觴をうまく導いて行きます。
そうそう、1個のことで随分流れが変わるんですよ。びっくりしました。
曲水の水流について
曲水の庭の小川には、仙巌園内に流れている「保津川」から水を引いています。
普段はあまり水は流れていませんが、曲水の宴のために水量を調節して流れを作ります。
小川のほとりに敷き詰めてある石のちょうど中程に、水量を調節したと思われる穴が見つかり、
今回は、その穴の水路を使って流れを作りました。
そうすることで、これまでの水の流れがかわり石と石の間を上手く流れていきました。
そうそう、流れといえば、参宴者全員での最終リハーサルの日。この日は、寒気が強くすごく寒く
すごい風の強い日でした。神官が、一個一個丁寧に、耳杯を送り出します。
途中で止まりそうな耳杯は白丁が優しく水の流れに乗せて導きます。
なんとか、無事に全員に行き渡りました。ほっ、としたのも束の間、羽觴は風に押し戻され、
なかなかうまく流れていきません。今まで5回催してきましたが、こんな事は初めてでした。
で、今回初めて逆流したときの練習もできました。
良かったんだか、悪かったんだか・・・
3月1日(日)
宴当日です。昨日の風はどこへやら・・・とてもお天気のいい、小春日和でした。
なんだか、とっても ほっ・・・としました。が、東京は季節はずれの「雪」。
日本って、やっぱり長いんだ!と、改めて実感しました。
中国大使館や参宴者の飛行機の件でちょっと慌てたけど・・・
宴は滞りなく?無事?終わりました。
よかった。よかった。