BCGについて

Q:H11.4.30誕生、第一子、女児です.
 9月9日にBCG接種をしました.4日ぐらい前から接種痕の赤みが強くなり黄色い膿が見えるようになりました.
 説明のメモを戴いてあったので、気にせずにいました.
 ところが、今日、抱っこ紐をつける時に服の上から指で強く押さえてしまいました.袖にポツッとほんの少量の膿がついていたので気づきました.見てみると、皮膚が少し破けていました.膿はほとんど乾いていて固まっていました.
 夜、お風呂に入りましたが、BCG痕の辺りだけは洗わずにいました.
 その後、寝た後で腕を見てみると、結局5箇所の皮膚が破けていて、その内の3箇所は膿も取れていました.(膿が出ていたのは、大小あわせて13個です.)
 このことによって、BCGの効力に影響があるでしょうか.また、BCG痕はこのままほおっておいていいでしょうか?  

   A: 終戦後の日本は結核患者が多く、国民病とまで言われました。
その後生活環境や食生活の改善もありましたが、BCGの接種効果により、結核は非常に少なくなって参りました。しかし最近また高齢者の結核や集団感染が話題となっております。
生まれた赤ちゃんはお母さんから色々の病気に対する免疫をもらっているのですが、結核はお母さんから免疫をもらえない病気の一つです。だから出来るだけ早い時期にBCG接種が望ましいのです。
さてBCGを接種したら、1〜4週頃、接種部位の針の痕に発赤、硬結、腫脹、痂皮形成等の局所反応がでることがあります。強い場合は膿庖をつくることもあります。指で押さえたり、引っ掻いたりして、破けることもあります。
傷が他にまで広がらず、針の痕の周りだけで、乾いておれば、先ず心配要りません。
針の痕は全部つけば18個ありますが、膿が出るほどはっきりした跡形が13個もあれば、免疫はついたと思われます。
局所を清潔にし消毒をしてもかまいませんが、副腎皮質ホルモンのはいった軟膏は使わないで下さい。
このままほおっていても、2〜3ヶ月以内には跡形だけ残して炎症はとれると予想します。
長引いたり、現状より悪くなるようでしたら、掛かり付けの小児科で見てもらって下さい。平成11年10月9日

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