ツ反が強陽性 

Q: 小学2年生の女児です。生まれてこの方、数回のツ反が強陽性で一度もBCG接種していません。
保健所の指導でX-Pのチェックも数回いたしておりますが、正常です。
今年は、何時も強陽性者とのことでツ反も受けられなかったと言います。
こんな子の免疫はどう考えたらよろしいのでしょうか?
今後、どのようにしていけばよろしいのでしょうか?  

A:   精製ツベルクリンには一般診断用と強反応者用があります。後者は30歳以上の者や 結核患者などで、前者を使用すると局所反応が強すぎる恐れのある場合に使います。
結核は母体免疫を貰えない数少ない感染症の一つですから、BCG.の接種無く、強陽性なら結核菌に感染の既往があったと判断します。
乳幼児期の結核は、感染3ヶ月で症状が現れる筈ですから、小学2年生まで発病してなければ、初回のツ反実施以前に不顕性感染を起していたと考え、免疫は十分出来ていると判断して良いと思います。
活動性の結核症状が出なければ、経過観察でよろしいと思われます。

Q: 先日患者が、ツベルクリンをしてくれと来院。
あいにく、持ち合わせがないので、取り寄せようとしましたら、精製ツベルクリン一般診断用1・5・10μgと容量が3種類もありどれを用いたら良いのか困ってしまいました。
通常は、どれを用いているのでしょうか?

A:  対象年齢と、ツ反の目的によって、使用する濃度が違います。
能書に書いてある通り、一般診断用 0.5μg/mlが普通に使われます。生の結核菌に汚 染された経験のある人や、現に汚染されている人には反応が強く出ますし、硬結を残し やすいのも事実です。だから30歳以上の者、結核罹患 者等には濃度の薄い0.1μg/mlを使うように指示されてお ります。
一般診断用、強反応者用、確認診断用の三者は、ただ濃度 が違うばかりではありますが、夫々に意味があるわけで す。皮内に正確に0.1mlを注射し、上手に泡疹(ク ワッデル)を作ることこそが大事なのです。技術の誤差 を少なくするために0.5μg/mlが一般用として使 われている所以です。

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