
ポリオワクチンについて
Q:勤務医です。生後7ヶ月の子の親から相談を受けました。ポリオの経口生ワクチンでは、非常に稀であるが麻痺症状が出ることがあるとのことですが、これは無視してもよろしいのでしょうか。
そもそも、なぜ「弱毒化」した「生」もので行うのでしょうか。
注射接種にすれば「不活化」した抗原で十分な免疫能獲得が期待できると思うのですが。A:ワクチンには「生」と「不活化」がありますが、テーク率、免疫の持続性の点で「生」が優れていることはご承知の通りです。
しかし副反応は「生」の方が強いわけです。
弱毒化したワクチン株が一億個に一個の割合で、突然変異する可能性は否定できません。
突然変異を起した株が野性株へ変異する可能性(一億分の一)も否定出来ません。
天文学的な頻度ではありますが、能書には書いてあります。
最近10年間にはないと思いますが、ワクチン由来の野性株によると思われる家族内感染は2〜3例報告があるようです。しかし極めて軽症でした。
ワクチン株の野性化には注意が肝要です。
小児科医はワクチンは痛い注射でなく、痛くも痒くも無い経口、噴霧などの投与を切望しております。
「不活化ワクチン」は注射で2〜3回、数年後に追加等何回も接種しなければ、効果の持続が期待出来ません。
ワクチン業者には「生」で副反応の無い製品の開発に努力するよう発破を掛けているところです。
