| ◆どうして養殖業者になろうと思ったのですか?
祖父の代から三代の養殖漁家だったということが前提としてあります。
小さい頃から、自分も周りも養殖業を継ぐという自然な流れがありました。
また海辺に暮らし、魚が身近にあり、高校生や大学生になっても、自分ならこういう風に養殖をしてみたいという考えが自然と芽生え、実践してみたくなったから。
そして親の働く姿を見てきたのが大きいと思います。
父が長靴を履き、船に乗り、さっそうと動く姿は本当にかっこいいものでした。
◆無投薬の養殖をはじめられたきっかけは?
おいしい魚が作りたかったからです。
無投薬で育てるには、健康に育てなくてはいけない、健康な魚はおいしい味につながる、と思って育てています。
◆育て方にはどんな特徴がありますか?
まずエサはメーカーにオーダーしたオリジナルの配合飼料に、生の魚を船の上で混ぜて作っています。福山町の黒酢も加えているんですよ。黒酢はぶりの健康にもいいようです。
周辺環境は人間と同じと考え、ストレスをできるだけ与えない環境づくりを目指し、一つ一つの生け簀で飼う魚の数を最適にしたり、生け簀間の距離をできるだけ離したりしています。
◆魚にとってはしあわせな環境ですね。
といっても、海は水が動くので、なかなか管理しにくいですね。うちでは生け簀の中にイシガキダイという魚を一緒に飼ってて、それが網についた貝や海草を食べてくれる(おそうじ係)ので助かってます。
◆1日の生活パターンを教えてください
5時30分 起床
6時から仕事
6時から8時 餌の積み込み作業
8時から8時40分 朝食
9時から12時30分くらいまで魚に給餌
12時30分から1時30分 昼食
1時30分から5時 網替などの他の作業、日誌の記帳などのデスクワーク
◆養殖業者になって辛いことは?
良くも悪くも自然相手の世界だということ、人間の都合は通用しない。
天候、水温など人間の都合にわざわざ自然は合わせてくれない。
いくら努力しても報われない結果が出ることもある。
◆養殖業者になって楽しいことは?
毎日、桜島と錦江湾を眺めながら大自然の中で仕事が出来ること。
オフィスで働く人には味わえない自然を満喫できるし、自然に対する感覚や考えが鋭くなると思う。
魚の動き一つでも、他の人ではわからないことがわかったりします。
◆これからの目標は?
食べてみなさんの健康に貢献できる魚を育てたいですね。おいしい魚を食べた時って幸せですよね。そんな幸せになれる魚を育てたいです。
あと養殖だからこそできること、自然を手本に、育てる側の工夫次第では天然魚よりおいしい魚を育てられるはずなので・・・かんばります。
◆最後にこれから養殖業者になろうとする若者へ一言お願いします。
漁師や養殖業者になる以前に、自分のライフワークを探すのに、自分をごまかしたり、見切りをつけたり、うそをつかないこと、本当にやりたいことが何なのかよく考えた上で選択するものだと思います。
万が一、自分が望んだ仕事が理想とは離れたものでも、その仕事をいかに自分がしたい仕事にうまく作り変えていくかで充実した仕事にすることもできます。
決して海の仕事は甘いものではありませんが、私は本当に今の仕事について良かったと思っています。
21世紀の新しい養殖業者や漁師さんの登場を期待しています。
|