小川六地蔵幢

 仏教では,死後,生まれ変わる行き先に地獄道,餓鬼道,畜生道,修羅道,人間道,天道の六つの世界(六道)があり,どこへ行くかは人間であった時の行い次第,また,どの世界に生まれ変わっても,いつかは死を迎え,別の世界(あるいは同じ世界)へ転生する宿命だと説かれる。
 六地蔵幢は,六種類の地蔵が六道を輪廻転生するすべての生きものを救うとする説から生まれたもので,室町時代に多く造られた。小川の六地蔵幢には,豪族と思われる法名「雲心浄秀上座」とその妻が生きている間の「現世安穏」と死後の「安楽国への往生」を願った文章,そして天文22年(1553)の年号が刻まれている。

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