浜児ヶ水のサンコンメ
1月7日の午後に行われる浜児ヶ水地区の伝統行事。
バッチョ傘をかぶった15歳になる少年が,2mほどの太い孟宗竹の中に硬貨を詰めて担ぎ,ぐるぐると回って勢いよく地面に放り投げる。
竹が割れ始め,硬貨がこぼれだすと,この瞬間を待っていた人々は,争うように硬貨を拾う。
拾った硬貨は,その年の無病息災,五穀豊穣を祈るため,自宅に持ち帰り神棚に供える。
大人たちは,集落を回りながら,見物人の顔にヘグロ(黒い煤)を塗りつけ,ナマスや焼酎を振舞う。
納骨堂前に来たところでサンコンメは終わり,海岸に下りて「鬼火たき」がはじまる。
サンコンメに似た行事は,かつては南薩の海辺の集落でもよく見られ,漁業に関連した風習とも言われる。目が廻るほどくるくる舞う様は,船に慣れない若者が船に酔った様子を表現したものであるとか,船酔いに慣れるための通過儀礼とも言われる。