開聞岳

「一度も登らん馬鹿 二度,登い馬鹿」
地元の人々は,開聞岳をこう表現する。頂上から一望できる南薩地方と東シナ海の絶景を知らないのはあまりにもったいない。でも,あんなに険しい山道を二度も登るなんて,ぼっけもんだ,という意味。後者の例えには,険しい登山にも関わらず,再び登る人がいるほど,開聞岳が魅力的だという暗喩も含まれている。

開聞岳は,市の南西部に位置する標高924mの活火山。複数回の噴火で溶岩や火山砕屑物などが積み重なって形成された円錐状の成層火山の頂上部に粘性の強いマグマが盛り上がりできた溶岩円頂丘がのっている。円錐形の山体が海から空へと向かう様はとても美しい。そのシンメトリーで均整のとれた姿から「薩摩富士」とも称され,日本百名山の一つに数えられている。